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労働問題のご案内

労働問題に関するQ&A
 
1.最近施行された労働契約法について教えてください。
 
労働契約法は、平成20年1月に成立し、平成20年3月1日から施行されました。
労働契約の成立・変動・終了に関する規定を設けています。
これまで、労働の分野では労働条件の基準を定めた労働基準法などがありましたが、就労形態の多様化などを踏まえ、体系的でわかりやすく、紛争の解決予防に資するルールが必要であるとして制定されたものです。
 
2.解雇については何か変更がありますか?
 
これまでの労働基準法18条の2が労働契約法16条に移行しました。
内容に変更はなく、使用者は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないような場合は、労働者を解雇できないとしています。
なお、懲戒処分としての「懲戒解雇」については、懲戒の種別及び事由を就業規則または個別労働契約にあらかじめ定められていなければならないとされています(判例)。
処分の重さとしての相当性などを総合的に考慮して判断されます。
 
3.労働条件の変更が許されないのはどのような場合ですか?
 
賃金、労働時間、休日等の労働条件は、労使の合意によって決められるのが原則です。
労働者の同意なく、使用者が一方的に労働条件を切り下げることは許されません(労働契約法8条参照)。
また、就業規則による場合には、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであることが要求されています(労働契約法10条参照)。
 
4.セクハラ・パワハラはどのような責任が生じますか?
 
セクハラとは、相手方の意に反する性的言動をいい、パワハラとは、職場において、職務上の地位や影響力を利用して、相手方の人格や尊厳を侵害する言動を行う場合、暴力をふるう、仕事を与えない、退職強要、職場内で孤立化させるなど。
加害者が不法行為責任(民法709条)を負うのみならず、使用者は使用者責任(民法715条)の他、働きやすい環境を保つよう配慮する義務に違反したものとして債務不履行(民法415条)も負担することになります。
 
5.労働審判とはどのような手続ですか?
 
個別労使関係の民事紛争について、裁判官と労使の専門委員で構成される労働審判委員会が、事件の審理を行い、調停を試み、調停が成立しない場合は労働審判を出すという制度です。
平成18年4月に導入されました。
原則3回以内の期日で審理を終結させることを目指しています。
これまでの訴訟制度より、紛争の早期解決が望めます。
 
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